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給特法改正で学校事務職員の仕事はどう変わる?2026年度からの業務3分類を解説

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2025年6月に成立した給特法改正を受けて、2026年度から全国の教育委員会に「働き方改革のための計画」の策定が義務付けられました。この動きに合わせて、これまで曖昧だった学校の業務分担が見直され、学校事務職員が担う範囲が大きく広がろうとしています。「結局、私たち事務職員の仕事はどう変わるの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。この記事では、SIerから学校事務に転職した筆者の視点も交えながら、給特法改正の中身と学校事務職員への影響をわかりやすく整理します。

目次

給特法改正とは?まずは基本をおさらい

そもそも給特法とは、公立学校の教員に対して残業代を支給しない代わりに、給料月額の4%を「教職調整額」として一律支給する仕組みを定めた法律です。今回の給特法改正では、この教職調整額の引き上げに加えて、教育委員会に対して教員の時間外在校等時間の目標設定と、その達成に向けた具体策をまとめた「業務量管理・健康確保措置実施計画」の策定が義務化されました。つまり、単に給与制度が変わるだけでなく、学校現場の業務そのものを見直す仕組みが法律で裏付けられた点が大きな特徴です。

そのため、2026年度以降は「計画を作って終わり」ではなく、実際に教員の業務を減らす具体策として、事務職員をはじめとする「教員以外」への業務移行が本格的に進められることになります。

なぜ今、学校事務の業務が注目されているのか

しかし、教員の業務を減らすといっても、仕事がなくなるわけではありません。誰かがその業務を引き受ける必要があり、その受け皿として名指しされているのが学校事務職員です。文部科学省が示した新しい「学校と教師の業務の3分類」では、事務職員が中心となって担うべき業務が具体的に列挙されており、私立・公立を問わず学校事務の現場に少なからず影響が及ぶと考えられます。

新しい「学校と教師の業務の3分類」の中身

2025年9月、中央教育審議会の特別部会で、従来の「学校・教師が担う業務に係る3分類」が「学校と教師の業務の3分類」に改められ、新たな業務例が追加されました。ポイントは大きく3つに整理されています。

1学校以外が担うべき業務

登下校対応、夜間の見回りや補導時の対応、学校徴収金の管理、地域ボランティアとの連絡調整など。基本的に家庭や自治体、教育委員会が担うべきとされている領域です。

2学校の業務だが必ずしも教師が担う必要がない業務

調査・統計等への回答、学校の広報資料・ウェブサイトの作成管理、ICT機器やネットワーク設備の日常的な保守管理、学校プールや体育館等の施設・設備管理などが該当します。いずれも「事務職員等を中心に実施」と明記されており、まさに学校事務職員が主役になる領域です。

3教師の業務だが負担軽減が可能な業務

給食時の対応、授業準備、学習評価や成績処理、学校行事の準備・運営などが挙げられ、サポートスタッフの参画や外部委託で負担を減らす方向性が示されています。

📌 POINT 特に②の「調査・統計への回答」「広報・HP管理」「ICT保守」「施設管理」は、まさに本ブログでも取り上げてきたテーマと重なります。給特法改正は、これらの業務がすでに一部の学校事務職員が担ってきた仕事を、制度として正式に位置づけ直す動きだと捉えると理解しやすいでしょう。

学校事務職員が新たに求められる業務とは

また、今回の改定では学校プールや体育館の管理も新たに②の分類に加えられました。背景には、給水を止め忘れて水道料金が高額になった事例など、施設管理の不備がたびたび問題になってきたことがあります。そのため、今後は日常点検を教師が担いつつ、外部委託の検討も含めて事務職員が管理体制を整えるケースが増えていくと見られます。

つまり、これまで「担当者の裁量」で曖昧に処理されてきた業務が、教育委員会の計画に明記される形で事務職員の役割として制度化されるということです。担当が明確になる一方で、業務量そのものが増える可能性もあるため、優先順位をつけた仕事の進め方がこれまで以上に重要になります。

学校事務職員 業務の3分類による打ち合わせの様子

📷 Photo by Unsplash(商用利用可・無料)

苦情・カスハラ対応も学校事務職員の役割に

さらに注目したいのが、保護者からの過剰な苦情対応を学校外で行う方向性が示されたことです。文部科学省は指針改定にあわせて、事務職員らの積極的な参加や民間事業者への委託によって、教員が苦情対応に時間を取られない体制づくりを求めています。学校向けのハラスメント対策ガイドラインの検討も進んでおり、カスタマーハラスメント防止の義務化とあわせて、事務職員が「窓口」としての役割を担う場面が増えていくことが予想されます。

一方で、苦情対応やカスハラ対応は精神的な負担が大きい業務でもあります。マニュアルや対応フローをあらかじめ整備しておくことが、現場を守るうえで欠かせません。

共同学校事務室の強化をめぐる議論

ただし、この動きには課題や賛否もあります。文部科学省は2026年度予算の概算要求で、複数の共同学校事務室を束ねる「統括職」の定数新設を打ち出しましたが、全国学校事務労働組合連絡会議はこれを政策誘導的だと批判し、全校配置や複数配置基準の改善を優先すべきだと緊急要請を行いました。また、日本大学の末冨芳教授らの提言では、事務職員に期待される役割が高まる以上、共同学校事務室の必置化や事務職員の加配など、体制面の充実こそが実効性を高める鍵だと指摘されています。

そのため、制度上「事務職員が担うべき業務」が増えても、実際に人員や予算が追いつくかどうかは、今後の自治体・学校ごとの対応に左右される部分が大きいと言えるでしょう。

⚠️ 注意 給特法改正による業務の3分類はあくまで公立学校向けの指針ですが、私立学校でも「働き方改革」への社会的な関心の高まりを受けて、同じような業務の見直しを求められる場面が増えると考えられます。制度の対象かどうかにかかわらず、動向を押さえておくことが大切です。

私立学校の事務職員にも影響はあるのか

なぜなら、給特法は公立学校の教員を対象とした法律であり、私立学校は直接の適用対象ではないからです。しかし、保護者や社会全体の「学校の働き方改革」への意識が高まるなかで、私立学校でも広報・HP管理やICT保守、施設管理、苦情対応といった業務を事務職員が担う流れは強まっていくはずです。実際、共栄学園のような複数校を抱える学校法人では、各校の事務職員がこうした業務を分担しながら対応するケースも少なくありません。

💬 けけちゃまの実体験 SIer時代、システムの保守・運用やヘルプデスク対応は当たり前の業務でしたが、学校事務に転職してからは、ICT端末のトラブル対応や校内ネットワークの簡単なトラブルシューティングまで頼られる場面が増えました。今回の業務3分類を見て、「ああ、やっぱりこの方向に進んでいるんだな」と実感しています。SEとしての経験がある人にとっては、むしろ強みを発揮しやすいタイミングだと感じています。

これから求められるスキルと対応のポイント

そのため、これから学校事務職員に求められるのは、単なる事務処理能力だけではありません。ICTツールを使いこなす力、広報・情報発信のスキル、施設管理の基礎知識、そして苦情対応のコミュニケーション力まで、幅広いスキルセットが必要になってきます。一方で、業務が増える分だけ、効率化・自動化によって既存業務の負担を減らす工夫も欠かせません。

  • ✅給特法改正により2026年度から教育委員会に業務量管理計画の策定が義務化された
  • ✅新しい「学校と教師の業務の3分類」で、広報・HP管理やICT保守、施設管理が事務職員中心の業務に位置づけられた
  • ✅苦情・カスハラ対応も学校外・事務職員が関わる方向で検討が進んでいる
  • ✅共同学校事務室の強化や事務職員の配置充実を求める声が専門家から上がっている
  • ✅私立学校でも同様の業務シフトが起こりやすく、ICTスキルや情報発信力がこれまで以上に重要になる

結局のところ、給特法改正は教員の働き方だけでなく、学校事務職員の役割や求められるスキルを大きく変えるきっかけになりそうです。制度の詳細を追いながら、自分の学校ではどんな対応が必要になりそうか、早めに考えておくと安心です。

事務職員の仕事、これからどんどん増えそうで不安です…
たしかに業務は増える方向ですが、裏を返せば「専門性を発揮できる場面」が増えるということでもあります。ICTや広報のスキルがある人ほど、これからの学校事務では頼られる存在になりますよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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