事務職でよく使うExcel関数は、実は10個もあれば十分です。 Excelには400以上の関数が用意されていますが、事務職員が実務で本当によく使う関数はごく一部に限られます。むしろ「関数を全部覚えようとするから挫折する」というのが、SE歴10年以上の筆者が感じる正直なところです。 私はSEとして業務システムの開発・Excelマクロの作成・事務職員向け研修を経験したのち、学校事務に転職しました。つまり「Excel関数を作る側」と「事務職として毎日使う側」の両方を経験しています。そこで今回は、事務職でよく使うExcel関数を10個だけ厳選して、使用例・よくあるミスつきで解説します。

Excelの関数って種類が多すぎて、何から覚えればいいかわからなくて…



安心してください。私の職場でも、SE出身の私を除いてほぼ全員がSUMとAVERAGEくらいしか使っていませんでした笑。しかしこの記事の10個を覚えるだけで、周りから「Excelができる人」と見られるようになりますよ。
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▼ 事務職でよく使うExcel関数10選・早見表
| # | 関数名 | 一言で言うと | 使用頻度 |
|---|---|---|---|
| 1 | IF | 条件によって表示を変える | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 2 | VLOOKUP / XLOOKUP | 別の表から値を引っ張ってくる | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 3 | SUMIF | 条件に合うものだけ合計する | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 4 | COUNTIF | 条件に合うものの数を数える | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 5 | IFERROR | エラーが出たときに代わりの値を表示 | ⭐⭐⭐⭐☆ |
| 6 | TEXT | 数字・日付を好きな形式の文字に変換 | ⭐⭐⭐⭐☆ |
| 7 | LEFT / RIGHT / MID | 文字列の一部を切り出す | ⭐⭐⭐☆☆ |
| 8 | TRIM | 余分なスペースを削除する | ⭐⭐⭐☆☆ |
| 9 | TODAY / NOW | 今日の日付・現在時刻を自動表示 | ⭐⭐⭐☆☆ |
| 10 | CONCATENATE / & | 複数のセルの文字をつなげる | ⭐⭐⭐☆☆ |
Contents
- ① IF|事務職でよく使うExcel関数の筆頭・条件分岐の基本
- ② VLOOKUP / XLOOKUP|別の表から値を参照する定番関数
- ③ SUMIF|事務職の集計作業に欠かせない条件付き合計
- ④ COUNTIF|出欠・重複チェックに使う条件付きカウント
- ⑤ IFERROR|エラー表示を消す「隠し技」的なExcel関数
- ⑥ TEXT|日付や数字を帳票に合った形式に変換する関数
- ⑦ LEFT / RIGHT / MID|データ整形に使う文字列切り出し関数
- ⑧ TRIM|コピペ後の「見えないゴミ」を掃除するExcel関数
- ⑨ TODAY / NOW|日付を自動表示して期限管理を効率化する関数
- ⑩ CONCATENATE / &|姓名・住所の結合に使う文字列連結
- まとめ|事務職でよく使うExcel関数10個をマスターしよう
① IF|事務職でよく使うExcel関数の筆頭・条件分岐の基本
1
IF
条件分岐
最重要
「もし〜ならA、そうでなければB」という条件分岐を自動で行う関数です。事務職でよく使うExcel関数の中でも、特に使用頻度が高いのがこのIFです。これ1つ覚えるだけで、表の自動化が劇的に進みます。
=IF(論理式, 真の場合, 偽の場合)
IFの事務での使用例
📋 実務での使い方
=IF(C2>=60, "合格", "不合格") ─ C2が60以上なら「合格」、未満なら「不合格」と表示=IF(D2="", "未提出", "提出済") ─ D2が空白なら「未提出」と表示
💡 SE的な使い方
IFは入れ子(ネスト)にすることで複数条件にも対応できます。ただし3段階以上になったらIFS関数に切り替えた方がスッキリ書けます。
⚠️ よくあるミス
「真の場合」「偽の場合」に文字列を入れるときは必ずダブルクォーテーション(””)で囲むこと。囲み忘れるとエラーになります。
② VLOOKUP / XLOOKUP|別の表から値を参照する定番関数
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2
VLOOKUP / XLOOKUP
検索・参照
最重要
別のシートや表から「この値に対応するデータ」を自動で参照できる関数です。たとえば社員番号から氏名を取得したり、商品コードから単価を引いたりと、事務作業の効率化に直結する使用頻度トップクラスの関数です。
VLOOKUPとXLOOKUPの違い
新しいExcel(Microsoft 365 / Excel 2021以降)ではXLOOKUPが使えます。従来のVLOOKUPより柔軟で、左方向への検索やエラー処理も内蔵されているためおすすめです。古いExcelを使っている職場ではVLOOKUPを覚えましょう。
— VLOOKUP(従来版)–
=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, FALSE)
— XLOOKUP(新版・推奨)–
=XLOOKUP(検索値, 検索範囲, 戻り範囲)
=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, FALSE)
— XLOOKUP(新版・推奨)–
=XLOOKUP(検索値, 検索範囲, 戻り範囲)
📋 事務での使用例
=VLOOKUP(A2, 社員名簿!A:C, 2, FALSE) ─ A2の社員番号をもとに名簿から氏名を取得=XLOOKUP(A2, 名簿!A:A, 名簿!B:B) ─ 同じことをXLOOKUPで書いた場合
⚠️ よくあるミス(VLOOKUPの場合)
第4引数をFALSEにし忘れるのが最多ミスです。TRUEのままだと「近似値」検索になり、意図しない値が返ってきます。完全一致で検索したいときは必ずFALSE(または0)を指定してください。



VLOOKUPって名前は聞いたことあるけど、難しそうで避けてました…



一度使えると「これなしでどうやって仕事してたんだろう」という気持ちになります。手作業でのコピペがゼロになるので、ぜひ挑戦してみてください。
🔗 公式リファレンス
XLOOKUP関数の使い方|Microsoft公式サポート ─ 引数の詳細・応用例は公式ドキュメントで確認できます。
③ SUMIF|事務職の集計作業に欠かせない条件付き合計
3
SUMIF
最重要
「特定の条件に合う行だけを合計する」関数です。全体の合計ならSUMで十分ですが、「部署ごとの合計」「特定の月だけの集計」など、条件を絞った集計はSUMIFが必要です。事務職の月次・年次集計では毎回登場する関数といえます。
=SUMIF(範囲, 検索条件, 合計範囲)
SUMIFの使用例と複数条件への応用
📋 事務での使用例
=SUMIF(B:B, "総務部", C:C) ─ B列が「総務部」の行のC列(金額)だけを合計=SUMIF(A:A, "2024/04/*", B:B) ─ 4月分の金額だけを合計
💡 SE的な使い方
複数条件で集計したいときはSUMIFS(複数形)を使います。「部署が総務部かつ4月のもの」のような絞り込みが可能です。まずSUMIFに慣れてから、SUMIFSへのステップアップを目指しましょう。
④ COUNTIF|出欠・重複チェックに使う条件付きカウント
4
COUNTIF
最重要
「条件に合うセルの個数を数える」関数です。出欠確認・アンケート集計・重複チェックなど、事務職員が日常的に必要とする「数を数える」作業を自動化できます。さらに、COUNTIFはVLOOKUPと並んで重複チェックの場面でも大活躍します。
=COUNTIF(範囲, 検索条件)
📋 事務での使用例
=COUNTIF(C:C, "欠席") ─ C列の「欠席」の数を数える=COUNTIF(A:A, A2) ─ A2と同じ値がA列に何個あるか(重複チェックに活用)
💡 重複チェックへの応用
名簿や申込リストの重複チェックに非常に便利です。=COUNTIF($A$2:$A$100, A2)>1 という数式をIF関数と組み合わせれば、重複している行に自動でフラグを立てられます。
⑤ IFERROR|エラー表示を消す「隠し技」的なExcel関数
5
IFERROR
エラー処理
数式がエラーになったとき、「#N/A」「#VALUE!」などの見苦しいエラー表示の代わりに、任意の値を表示させる関数です。VLOOKUPと組み合わせて使うのが王道で、該当データがないときに空白や「-」を表示させるために使います。
=IFERROR(値, エラーの場合の値)
📋 事務での使用例
=IFERROR(VLOOKUP(A2, 名簿!A:C, 2, FALSE), "該当なし")─ VLOOKUPで見つからないとき「#N/A」の代わりに「該当なし」と表示
💡 SE的な使い方
エラーを全部「””(空白)」で潰すのはNGです。エラーには「データがない」という情報が含まれているため、エラーの意味に応じて表示を変えるのが正しい設計といえます。



VLOOKUPで「#N/A」が出てきて毎回手動で消してました!これで解決できるんですね!



あるあるです笑。IFERRORをVLOOKUPの外側に被せるだけで解決します。この組み合わせは「セット技」として覚えておいてください。
⑥ TEXT|日付や数字を帳票に合った形式に変換する関数
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6
TEXT
文字列操作
数値や日付を「好きな書式の文字列」に変換する関数です。「2024/4/1」を「令和6年4月1日」に変換したり、「1234567」を「1,234,567」と表示したりと、文書・帳票作成で大活躍します。
=TEXT(値, “表示形式”)
TEXTの使用例・和暦変換のやり方
📋 事務での使用例
=TEXT(A2, "yyyy年m月d日") ─ 日付を「2024年4月1日」形式に変換=TEXT(A2, "[$-ja-JP]ggge年m月d日") ─ 日付を「令和6年4月1日」に変換=TEXT(A2, "#,##0") ─ 数値を「1,234,567」のカンマ区切りに変換
⚠️ よくあるミス
TEXT関数の結果は「文字列」になります。そのため、TEXT変換後の値をSUMなどで計算しようとするとエラーになります。表示用と計算用のセルを分けるのがベストです。
⑦ LEFT / RIGHT / MID|データ整形に使う文字列切り出し関数
7
LEFT / RIGHT / MID
文字列操作
文字列の「左から」「右から」「真ん中から」指定した文字数を切り出す関数です。郵便番号のハイフン前後を分割したり、コードの一部を取り出したりと、他システムからのデータ整形の場面で重宝します。
=LEFT(文字列, 文字数)
=RIGHT(文字列, 文字数)
=MID(文字列, 開始位置, 文字数)
=RIGHT(文字列, 文字数)
=MID(文字列, 開始位置, 文字数)
📋 事務での使用例
=LEFT(A2, 3) ─ 「東京都渋谷区」→「東京都」(左から3文字)=RIGHT(A2, 4) ─ 「A2024001」→「0001」(右から4文字)=MID(A2, 2, 4) ─ 「A20240012」の2文字目から4文字を取り出す
⑧ TRIM|コピペ後の「見えないゴミ」を掃除するExcel関数
8
TRIM
文字列操作
文字列の先頭・末尾の余分なスペースと、単語間の連続スペースを削除する関数です。地味ながら、他のシステムからコピペしたデータの「見えないゴミ」を掃除するのに欠かせません。
VLOOKUPが一致しないときの原因はスペース
実務でよくある「VLOOKUPで絶対に一致するはずなのに#N/Aが出る」という謎エラーの原因の9割はスペースです。つまり、TRIMを知っているだけで謎のエラーが激減します。
=TRIM(文字列)
📋 事務での使用例
=TRIM(A2) ─ 「 山田 太郎 」→「山田 太郎」(前後のスペースを削除)
💡 SE的な使い方
他システムからデータをコピペした直後は、まずTRIM→VLOOKUPの順で処理するのが鉄則です。SE時代も事務職員からの「VLOOKUPがうまく動かない」相談の半数以上がスペース問題でした。



VLOOKUPで一致しないとき、原因がスペースだったとは気づかないですよね。



本当に多いです。しかもスペースは目に見えないので原因がわかりにくい。TRIMを知っているだけで解決できるので、ぜひ覚えておいてください。
⑨ TODAY / NOW|日付を自動表示して期限管理を効率化する関数
9
TODAY / NOW
日付・時刻
TODAY()は今日の日付、NOW()は現在の日時を自動で返す関数です。ファイルを開くたびに今日の日付が自動更新されるため、日付を手入力する手間がなくなります。特に、期限管理や残日数の計算との組み合わせが便利です。
=TODAY() — 今日の日付(引数なし)
=NOW() — 現在の日時(引数なし)
=NOW() — 現在の日時(引数なし)
📋 事務での使用例
=TODAY() ─ 今日の日付を表示(毎日自動更新)=A2-TODAY() ─ 締切日(A2)まであと何日かを計算=IF(A2<TODAY(), "期限切れ", "期限内") ─ 期限チェックの自動化
⚠️ 注意点
TODAY()とNOW()はファイルを開くたびに値が変わります。「記録として日付を残したい」場合は、Ctrl+; (日付の固定入力)を使うのが正解です。
⑩ CONCATENATE / &|姓名・住所の結合に使う文字列連結
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CONCATENATE / &
文字列操作
複数のセルの文字列をつなげる関数です。姓と名が別セルになっているデータを結合したり、住所を都道府県・市区町村・番地でつなげたりと、データ整形・宛名ラベル作成で頻繁に使います。なお、実務では関数よりも&(アンパサンド)演算子の方が簡潔に書けるためよく使われます。
— CONCATENATE(関数版)–
=CONCATENATE(文字列1, 文字列2, …)
— & 演算子(実務ではこちらが主流)–
=A2 & ” ” & B2
=CONCATENATE(文字列1, 文字列2, …)
— & 演算子(実務ではこちらが主流)–
=A2 & ” ” & B2
📋 事務での使用例
=A2 & B2 ─ 「山田」「太郎」→「山田太郎」=A2 & " " & B2 ─ 「山田」「太郎」→「山田 太郎」(間にスペース)=C2 & D2 & E2 ─ 都道府県・市区町村・番地を結合して住所に
💡 SE的な使い方
Microsoft 365以降ではTEXTJOIN関数も使えます。区切り文字を一括指定できるため、複数セルを「、」区切りでつなげる処理が1行で書けます。
▼ 事務職がよく使うExcel関数のセット技・組み合わせ早見表
| やりたいこと | 使う関数の組み合わせ |
|---|---|
| 別表から値を取得、見つからなければ空白 | IFERROR × VLOOKUP |
| 条件で合計、複数条件も対応 | SUMIF → SUMIFS |
| 日付を和暦・任意書式で表示 | TEXT × TODAY |
| 重複チェックとフラグ立て | COUNTIF × IF |
| 他システムからのデータ整形 | TRIM → VLOOKUP |
| 姓名・住所の結合と整形 | CONCATENATE(&) × TRIM |
🔗 公式リファレンス
Excel関数一覧(アルファベット順)|Microsoft公式サポート ─ 今回紹介した関数の詳細な引数・オプションはこちらで確認できます。
まとめ|事務職でよく使うExcel関数10個をマスターしよう
事務職でよく使うExcel関数を10個に絞って解説しました。改めて整理します。
- IF ─ 条件分岐の基本。事務職でよく使うExcel関数の中でも特に重要
- VLOOKUP / XLOOKUP ─ 別表参照の王道。新環境ではXLOOKUPを推奨
- SUMIF ─ 条件付き集計。部署別・月別の集計作業に必須
- COUNTIF ─ 条件付きカウント。重複チェック・出欠集計に活躍
- IFERROR ─ エラー処理。VLOOKUPとセットで使うのが定番
- TEXT ─ 日付・数値の表示形式変換。帳票作成に欠かせない
- LEFT / RIGHT / MID ─ 文字列の切り出し。データ整形に重宝
- TRIM ─ スペース除去。謎のVLOOKUPエラーを解消する地味な必須技
- TODAY / NOW ─ 日付の自動表示。期限管理を効率化
- CONCATENATE / & ─ 文字列結合。姓名・住所の整形に活躍
💡 SE出身者からの最後のひとこと
Excelは「覚えた関数の数」より「組み合わせて使う発想があるかどうか」の方が大事です。まずこの10個を単体で使えるようになりましょう。そのうえで「IFとVLOOKUPを組み合わせたら何ができるか」を考えると、急速に応用の幅が広がります。