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SE歴10年以上から学校事務に転職して、私の中で「変わったこと」は想像以上にたくさんありました。給与・残業・仕事内容といった表面的な変化だけでなく、仕事に対する考え方・時間の使い方・お金との向き合い方・自分自身の価値観まで、根本的なところから変わっていきました。
転職を考えている方が気にするのは「給与はどうなる?」「仕事は難しい?」という具体的な条件です。しかし転職後に一番驚くのは、そういった条件面ではなく「自分の考え方や生活が変わっていくこと」だと感じています。
この記事では、SE→学校事務という転職を経て気づいた変化を10個、Before/Afterの形で本音でお伝えします。転職を検討している方にも、すでに転職した方にも、何か刺さるものがあれば嬉しいです。




変化01:「忙しいこと=頑張っている」という思い込みが消えた
残業が多いほど「頑張っている人」という空気があった。22時に退勤すると「お疲れ様でした」と言われ、17時に退勤すると「早いですね」と言われた。忙しさ=価値という等式が頭に染み付いていた。
定時に帰ることが当たり前。「早く帰れた=仕事をうまく終わらせた」という評価に変わった。残業しないために段取りを工夫することが「仕事のうまさ」だと気づいた。
変化02:「時間」の価値が本当にわかるようになった
帰宅が22時を過ぎると、残りの時間は「ご飯を食べて寝るだけ」。趣味・運動・旅行・友人との時間はすべて週末に圧縮されており、それさえもプロジェクト次第でなくなった。「時間がない」が口癖だった。
17時前後に帰宅できるようになり、平日に趣味・運動・料理・読書ができるようになった。夏休みに海外旅行にも行けるようになった。「時間があること」がこんなに豊かだと、失ってみて初めてわかった。
変化03:「スキルの希少価値」が逆転した
Excel・プログラミング・システム設計は「できて当たり前」のスキルで、褒められることはほぼなかった。周囲全員が同じかそれ以上のスキルを持っているため、差別化が難しかった。
VLOOKUP一つで「すごい!」と言われる。マクロで作業を自動化すると「魔法みたい」と驚かれる。HP更新・システムトラブル対応・データ分析——SE時代には「普通」だったスキルが、学校では「できる人」のスキルになった。
変化04:「仕事の目的」が変わった
「いいシステムを作ること」「クライアントの要件を満たすこと」が仕事の目的だった。社会インフラを支えているという誇りはあったが、誰かの顔が見えないまま働いていた。
書類1枚の向こうに、その書類を必要としている生徒の顔がある。奨学金の書類を丁寧に仕上げることが、その子の進路に関わる。証明書を素早く発行することが、就職活動の締め切りに間に合う。「目の前の人の人生に関わっている」感覚が毎日ある。
変化05:「お金」との向き合い方が変わった
給与は高かったが、残業代・出張手当が多く「稼いだ分を使う」サイクルだった。将来のお金についてほとんど考えていなかった。「いつか考えよう」が口癖だった。
給与が下がったことで「限られた収入でどう資産を作るか」を真剣に考えるようになった。NISAを始め、iDeCoを追加し、無駄な支出を見直した。「収入が高いほど豊か」という思い込みが消えた。
変化06:「失敗への向き合い方」が変わった
バグ・障害・仕様漏れはプロジェクト全体に影響するため、ミスへの恐怖が常にあった。「絶対に間違えてはいけない」プレッシャーが精神を消耗させていた。夜中に「あの実装、大丈夫だったか」と目が覚めることもあった。
ミスをしたら謝って訂正する、という文化がある。もちろん給与計算のミスは許されないが、「ミスをしたら終わり」という重さが違う。チェックリストで防ぐ・ダブルチェックで確認するという「仕組みで対処する」習慣が身についた。
変化07:「健康」を後回しにしなくなった
腰痛・眼精疲労・睡眠障害・慢性疲労——これらをすべて「忙しいから仕方ない」で片付けていた。健康診断の結果に要再検査が並んでいても「今は無理」と放置していた。体は資本だとわかっていたが、使い捨て感覚で働いていた。
時間の余裕ができたことで、腰痛ストレッチ・眼精疲労対策・睡眠改善・運動習慣が少しずつ身についた。健康診断の結果も改善してきた。「体を大事にする時間が取れる」ことが、転職してよかったと感じる大きな理由になった。
変化08:「変化への適応力」が上がった
得意領域(プログラミング・システム設計)の中で深く掘り下げるキャリアだった。知らない分野には触れる機会が少なく、「専門外のことは専門家に任せる」という発想だった。
給与計算・会計・法律・施設管理・広報・HP運営——すべてを少しずつ担う「オールラウンダー」になった。知らないことを短期間でキャッチアップする力がついた。「専門外でも調べて対応できる」という自信が生まれた。
変化09:「人間関係のつくり方」が変わった
プロジェクト単位での人間関係が多く、案件が終われば疎遠になることもあった。「仕事ができる人」「論理的な人」が評価される文化で、コミュニケーションはどちらかというと課題解決のための手段だった。
少人数の職場で長く一緒に働く人間関係になった。「信頼できる人」「気配りができる人」が評価される文化。先生方との関係は「お互いを補い合う」感覚で、コミュニケーションそのものに価値がある。
変化10:「転職は怖くない」とわかった
「SE以外でやっていけるのか」「給与が下がって生活できるのか」「30代での異業種転職は厳しいのでは」という不安が山積みだった。転職情報サイトを開いては閉じることを何度も繰り返していた。
やってみたら、なんとかなった。スキルは思ったより通用した。給与が下がっても工夫次第で生活は整えられた。30代の転職でも、意欲と適応力があれば新しい職場になじめた。「転職は怖いものではなく、選択肢のひとつ」だとわかった。
まとめ:転職で変わったのは「条件」より「自分自身」
10個の変化を振り返ると、給与・残業・仕事内容という「条件面の変化」よりも、仕事観・時間の使い方・価値観・自己評価という「内側の変化」の方がずっと大きかったと感じています。
- 忙しいことが「頑張っている証拠」ではないとわかった
- 時間こそが最大の資産だと実感した
- スキルの価値は「どこで使うか」で大きく変わると気づいた
- 目の前の人の役に立つ仕事の意味を知った
- 収入が下がっても、工夫次第で豊かに暮らせるとわかった
- 健康・人間関係・自分らしさを取り戻せた
- 転職は怖くない、と身をもって証明できた
転職を考えているすべての方に言えることは、「完璧な準備が整ってから動く」必要はないということです。動いた先で変わるものが、きっとあります。








