「学校事務って、IT業界とどのくらい違うの?」——SEから転職を考えている方が最も気になる疑問のひとつではないでしょうか。 私は大学卒業後、大手SIerでシステムエンジニアとして10年以上勤務しました。勤怠管理・営業支援・人事管理・会計など、さまざまな業務システムの開発に携わってきた私が、地元の学校で職員採用の募集を見つけ、思い切って転職したのが学校事務の世界です。 そこで待っていたのは——想像をはるかに超えたアナログの世界でした。 この記事では、SE歴10年以上の私が学校事務に転職して「え、まじか…」と驚いたことを5つ、リアルにお伝えします。




▼ SE経験者が学校事務で驚いたこと 早見表
| # | 驚いたこと | 驚き度 | SE出身者のアドバンテージ |
|---|---|---|---|
| ① | 書庫・キングファイルの存在 | 😲😲😲 | 文書管理の電子化を提案できる |
| ② | ファイルサーバーがない | 😲😲😲😲 | NAS・クラウド導入を主導できる |
| ③ | メールを紙で印刷して配る | 😲😲😲😲😲 | メール運用の改善を提案できる |
| ④ | FAXが現役で活躍している | 😲😲😲 | デジタル化の橋渡し役になれる |
| ⑤ | Excelの関数を使える人が少ない | 😲😲😲😲 | 即戦力として感謝される存在になれる |
①書庫・キングファイルの存在|紙が支配する世界へようこそ
入職してまず目に飛び込んできたのが、書庫にびっしりと並んだキングファイルの山でした。 😲 驚き度:★★★☆☆
📷 Photo by Unsplash(商用利用可・無料)
恥ずかしながら、SE時代の私はキングファイルをほとんど触ったことがありませんでした。IT業界では書類はすべてデジタル管理が当たり前で、紙のファイルが何十冊も並ぶ書庫など存在すら意識したことがなかったからです。 さらに驚いたのが「必要かどうかわからない資料でも、とりあえず紙で保管しておく」という文化です。夏休みには職員総出でシュレッダーをかけたのですが、それでも書庫はなかなかスッキリしませんでした。






②ファイルサーバーがない|データはどこに?
書庫の次に驚いたのが、ファイルサーバーが存在しないという事実でした。 😲 驚き度:★★★★☆
😓 転職前に想像していた学校事務
- 共有サーバーでファイル管理
- データはクラウドで同期
- 資料はデジタルで共有
- 変更履歴も管理されている
😲 実際の学校事務(転職直後)
- 各自のPCにデータが眠っている
- USBメモリでのやりとりが主流
- 「あの資料どこ?」が日常茶飯事
- 前任者のデータが行方不明になることも
SE時代はファイルサーバーやGitによるバージョン管理が当たり前だったため、「担当者のPCにしかデータがない」という状況は、引き継ぎ事故やデータ消失のリスクが非常に高いと感じました。 そこで私が提案・導入したのがSynology製のNAS(ネットワーク接続ストレージ)です。個人のPCに散らばっていたデータを一元管理できるようになり、「あのファイルどこにある?」という混乱が大幅に減りました。






③メールを紙で印刷して配る|これが一番衝撃だった
ここまでは「まあそういう学校もあるかな」と思えていたのですが、これだけは本当に驚きました。😲 驚き度:★★★★★
📷 Photo by Unsplash(商用利用可・無料) 職員のメールアドレスが1人に1つ割り振られておらず、外部から届いたメールを事務職員が印刷して各先生のデスクに配布する——というフローが常態化していました。 笑い話ではなく、本当にそうやって運用されていたのです。さらに「印刷して配り忘れたら先輩方に怒られる」という場面も幾度となく目にしました。






→ なぜ学校のICT化が進まないのか、SE視点で構造的な問題と解決のアプローチを詳しく解説しています。
④FAXが現役で活躍している|2023年の話です
「FAXってまだ使っているの?」——IT業界にいた頃はそう思っていましたが、学校現場ではFAXが立派な主要通信手段として機能しています。 😲 驚き度:★★★☆☆
| 通信手段 | IT業界での位置づけ | 学校現場での位置づけ |
|---|---|---|
| メール | 主力・必須 | 整備途上・共有アドレスが多い |
| FAX | ほぼ使わない・廃止傾向 | 現役・日常的に使用 |
| 電話 | 補助的 | 主力のひとつ |
| チャット | Slack・Teams等が主流 | 導入が始まったばかり |
| 紙の文書 | 最小限 | 主流(押印文化も健在) |






⑤Excelの関数を使える人が少ない|SE出身者が輝く場所
最後の驚きは「きつい話」ではなく、むしろSE出身者にとって最大のチャンスの話です。 😲 驚き度:★★★★☆(→ SE出身者には嬉しい驚き)
📷 Photo by Unsplash(商用利用可・無料)
😓 よく見かけた場面
- SUM以外の関数をほぼ使っていない
- 手入力で転記・集計している
- 「Excelが難しい」と感じている先生が多い
- 同じ作業を毎年手作業で繰り返している
😊 SE出身者だとできること
- VLOOKUP・IF関数で作業を自動化
- マクロ・VBAで繰り返し作業をゼロに
- 「神か!」と感謝される存在になれる
- 業務改善の旗手として職場に貢献できる






→ ExcelスキルをはじめとしたICTスキルをどう学校現場に活かすか、具体的なアプローチを解説しています。
まとめ|驚きはやがてやりがいに変わった
SE歴10年以上の私が学校事務に転職して驚いたことを5つご紹介しました。
- 書庫・キングファイル文化の存在
- ファイルサーバーがなくデータが個人PCに分散
- メールを紙に印刷して配布する運用
- FAXが現役の主要通信手段
- Excelの関数を使える人が少ない
最初はカルチャーショックの連続でしたが、今では「改善の余地しかない職場」こそSE出身者にとって最高のフィールドだと感じています。
驚きは、やがてやりがいに変わりました。次の記事では、これらの問題をどのように改善してきたかを詳しくお伝えします。


