転職後のマナーで「え、それって常識じゃないの?」と指摘されて、焦った経験はありませんか?
SE歴10年以上から学校事務職員に転職した筆者(けけちゃま)は、転職直後にビジネスマナーの違いで何度もヒヤッとした場面を経験しました。IT業界には「そこまでしなくていい」という暗黙の慣習が多く、異業種に飛び込んだ瞬間に転職後のマナーギャップの大きさを思い知らされます。
この記事では、実際に転職後に指摘された・気づいたビジネスマナーの失敗談を7つ、Before/Afterと改善策つきで正直に公開します。転職を控えている方、異業種転職後に「なんか周りと温度感が違う」と感じている方の参考になれば幸いです。
・IT業界出身者が転職後にやりがちなマナーの失敗7パターン
・各失敗のBefore/After+すぐ実践できる改善策
・「転職後のマナーギャップ」を素早く埋める3つの習慣
なぜIT業界出身者は転職後のマナーでつまずくのか
IT業界(特にSIer・Web系)は、他業界と比べてカジュアルな職場文化が根付いていることが多いです。チャットツールでのやり取りが中心で、電話はほとんど使わない。上司もさん付けで呼ぶ。ドレスコードはパーカーOK。こうした環境に長くいると、「それが普通」という感覚が染みつきます。
しかし、学校・官公庁・金融機関などの「フォーマルな職場文化」に転職すると、その感覚がそのまま転職後のマナー違反に直結します。悪気はゼロなのに怒られる、という状況が生まれるのはそのためです。
転職後に怒られた・ヒヤッとしたマナー失敗7選
SE時代は外線電話がほぼ来ない環境でした。そのため、転職してから固定電話の外線が鳴ってもパッと体が動かず、先輩に何度か先を越されてしまいました。さらに取り次ぎの際に「ちょっと待ってください」と言ってしまい、「少々お待ちください、と言いましょう」と指摘されたことも。
「ちょっと待ってください」「○○は今いません」と事実をそのまま伝えてしまう
「少々お待ちください」「○○はただいま席を外しております」と丁寧な表現に統一
・外線を受ける:「はい、〇〇学校でございます」
・保留:「少々お待ちください」(保留ボタン→確認後)
・不在:「ただいま○○は席を外しております。よろしければご用件をお伺いし、折り返しご連絡いたします」
IT業界ではSlackやTeamsのチャットが主流で、メールそのものをほとんど書かない職場も多いです。そのため、転職後に外部の業者・保護者へのメールを書いた際、署名が「けけちゃま / 学校事務」と簡略化されており、先輩に「もう少し丁寧にしましょう」と指摘されました。また、「ご確認お願いします」という書き方も「ご確認のほど、よろしくお願い申し上げます」が正式とのことでした。
どうぞよろしくお願いします。
—
けけちゃま
何卒よろしくお願い申し上げます。
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〇〇学校 事務局
氏名・電話番号・メールアドレス
SE時代は「タスクが完了してから報告する」文化でした。しかし学校では、問題が起きたら途中でも即報告が求められます。ある業者とのやり取りで対応に迷い、自分なりに判断して動いたところ、後で「なんで先に相談してくれなかったの?」と事務長に言われました。
・報告:業務の進捗・完了・問題発生を、その日中か翌朝一番に
・連絡:関係者全員に影響する変更は、決定前に口頭でひとこと
・相談:「どうしよう」と思った瞬間が相談のタイミング(判断後ではなく判断前に)
IT企業の打ち合わせでは、会議室にペットボトルの水が置いてある程度でお茶を一から淹れる文化はほぼありませんでした。しかし学校の来客対応では、業者・保護者・外部の先生が来たときにお茶を出すのが基本です。最初は「どうして自分が?」という感覚すら正直ありました。
来客があっても特に何もせず席についたまま作業を続けてしまった
来客があったら席を立ち、「お茶をお持ちしますね」と声をかけて応接室に案内する
右側からお盆を使わずに差し出すのはNG。盆に乗せて両手で提供し、お茶は相手の右側から静かに置くのが基本です。また、茶托(さたく)がある場合は湯のみを置いてから茶托にセットします。
IT企業の会議室は「入口に近い席から順に埋めていく」スタイルが多く、上座・下座を意識する機会がほとんどありませんでした。しかし学校では、校長先生が同席する会議で着席の順番をしくじり、後でこっそり先輩に「あそこは上座だよ」と教えてもらいました。
・上座:出入口から最も遠い席。窓に近い・眺めがよい席も上座になることが多い
・下座:出入口に最も近い席。ドアの開閉・給仕をしやすい位置
・応接室では長椅子(ソファ)側が上座。一人掛けの椅子側が下座
・エレベーターでは操作盤の前が下座(自分が乗り、操作ボタンを押す役割)
SE時代も名刺交換はありましたが、現場では「なんとなくやれていればOK」という雰囲気でした。しかし学校に転職してから取引先と名刺交換した際、両手で渡していなかったこと・相手の名刺をすぐにしまったことを指摘されました。
片手で名刺を渡し、いただいた名刺をすぐにポケットへ入れてしまった
①自分から先に両手で差し出す(「○○学校の△△と申します」)
②いただく際も両手で受け取り、「頂戴いたします」と一言
③会議中は机の上に丁寧に置き、会議終了後に名刺入れへ
SEはとにかく略語が多い職種です。「FW」「DB」「エビデンス」「エスカレ」…こうした言葉が口癖になっており、転職後も無意識に使ってしまっていました。さらに前職の社内用語(「XXシステムの〇〇に相当する書類」という言い方)を使って、先生方に「それ何のこと?」と首を傾げられたこともあります。
・エビデンス → 証拠・記録・根拠
・エスカレーション → 上への報告・引き継ぎ
・フィックス → 決定・確定
・アサイン → 担当を決める・配置する
・ペンディング → 保留・先送り
転職後のマナーギャップを埋める3つの習慣
7つの失敗談を紹介しましたが、大切なのは「同じ失敗を繰り返さない仕組みを作ること」です。そのため、筆者が転職後に実践した習慣を3つ紹介します。
ただルールを覚えるのではなく、意味を理解すると腑に落ちやすいです。たとえば上座・下座は「相手への敬意を空間で示す文化」と理解すると、応用も効きます。SE脳には「理由のない仕様はバグ」という感覚があるので、むしろこの考え方が合っています。
他人のコードを読んで仕様を理解するように、先輩の動きを観察して職場のマナー仕様を読み解くことができます。「なぜあのタイミングで動くのか?」「なぜその言い方をするのか?」を観察するだけで、マニュアルに載っていない暗黙のルールが見えてきます。
指摘された内容をその日のうちに手帳やメモアプリに記録しておくと、同じミスを繰り返しにくくなります。さらに、1ヶ月後に振り返ると「あのミスが今はできている」という成長実感にもなります。
【まとめ】転職後のマナーで失敗しないために
- 電話対応・敬語・報連相・来客対応は、業界ごとに文化が大きく違う
- IT業界出身者は「略語・省略文化」が染みついているため特に注意が必要
- 上座・下座・名刺交換は基本ルールだけ先に覚えておくと安心
- 指摘されたことをネガティブに受け取らず「仕様の差分として吸収する」感覚で
- 先輩の動きを観察し、理由を考えながら覚えると定着が早い
転職後のマナーに関する第一印象は、最初の1ヶ月で決まります。「わからないことを素直に聞く」「指摘に感謝する」というスタンスをとるだけで、周囲の見る目は大きく変わります。ただし、何度も同じことを聞くのは逆効果なので、必ずメモを残しましょう。
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