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SE時代vs学校事務、年収と退職金はどう変わった?生涯収入で徹底比較

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「SEから学校事務に転職したら、年収退職金はどのくらい変わるものなのか」——このブログの給料リアル事情やめとけ理由の記事でも触れてきましたが、今回は年収だけでなく退職金まで含めた「生涯収入」という視点で、公的な統計データと筆者自身の実体験を組み合わせながら徹底比較していきます。感覚論ではなく、できるだけ数字で語ることを意識しました。

年収だけじゃなくて、退職金まで含めるとSE時代と学校事務ってどっちが結局お得なんですか?
いい質問です。実は年収だけで比較すると見誤るポイントがあって、退職金まで含めた「生涯収入」で見ると、印象が変わってきます。順番に数字で見ていきましょう。
目次

世間のデータで見るSE年収 vs 学校事務年収

まず、個人の体感ではなく公的な統計データから年収比較を見てみます。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、システムエンジニアの平均年収はおよそ578万円(月給約39万円+年間賞与約110万円の水準)とされています。一方、学校事務の平均年収は調査元によって幅がありますが、388万円前後という数字や、44.5歳時点で530万円ほどという年齢別データも見られます。

職種平均年収の目安データの出典
システムエンジニア(SE)約578万円厚生労働省 賃金構造基本統計調査
学校事務(全体平均)約388万円民間求人データベースの集計
学校事務(44.5歳時点)約530万円厚生労働省 賃金構造基本統計調査

つまり、統計上はSEと学校事務の間に150万円〜190万円程度の年収差があるということになります。しかし、この数字だけを見て判断するのは早計です。なぜなら、退職金という「後払いの給与」を含めていないからです。

退職金の相場を比較する|中小企業SIer vs 私学退職金団体

次に本題の退職金です。筆者が勤めていたような独立系中小SIerの場合、退職金の相場は東京都産業労働局の調査などを見ると、勤続20年で約300万円前後、大卒・定年退職まで勤めた場合でも約1,000万円前後という水準が目安とされています。全業種平均で見れば大卒定年退職の退職金は1,896万円というデータもありますが、これは大企業が押し上げている数字であり、中小企業ベースではもう少し低いのが実態です。

一方、私立学校の場合は「私学退職金団体」という都道府県ごとの共通制度に加入しているケースが多く、勤続年数と基準額に応じて退職金が計算される仕組みです。目安としては、勤続20年で300〜500万円程度、勤続30年以上・定年退職であれば800万円〜1,000万円を超えるケースもあります。

勤続年数SIer(中小企業)の退職金目安私立学校(私学退職金団体)の退職金目安
10年50〜100万円程度100万円台〜
20年約300万円前後300〜500万円程度
30年以上(定年)約1,000万円前後800万円〜1,000万円超
⚠️ 注意
退職金の金額は企業規模・加入制度・自己都合か定年退職かによって大きく変動します。上記はあくまで一般的な目安であり、実際の金額は勤務先の退職金規程・私学退職金団体の規程で必ず確認してください。

つまり、退職金の水準だけで見ると、中小SIerと私立学校の間にそれほど大きな差はないというのが実態です。むしろ、私学退職金団体は業界共通の制度であるため、学校法人の経営状態に左右されにくいという安定性の面ではメリットがあるともいえます。

生涯収入で見る本当の差|簡易シミュレーション

ここまでの年収データと退職金データを組み合わせて、22歳で入社してから60歳定年まで38年間働き続けたと仮定した場合の「生涯収入」を簡易的に試算してみます。あくまで平均値を用いたモデルケースであり、実際の金額を保証するものではありませんが、年収差だけを見るよりも解像度の高い比較になるはずです。

年代SEとして働き続けた場合の目安学校事務として働き続けた場合の目安
20代(10年間)年420万円×10年=4,200万円年350万円×10年=3,500万円
30代(10年間)年550万円×10年=5,500万円年420万円×10年=4,200万円
40代(10年間)年650万円×10年=6,500万円年480万円×10年=4,800万円
50代(8年間)年600万円×8年=4,800万円年520万円×8年=4,160万円
退職金約1,000万円約900万円
生涯収入合計(目安)約2億2,000万円約1億7,560万円

この試算では、生涯収入で4,000万円強の差が出る計算になります。しかし、この差をどう受け止めるかは人によって大きく変わります。なぜなら、この差の大部分は「残業を前提とした収入」と「繁忙期のプレッシャーに耐えた対価」でもあるからです。単純な金額の大小だけでなく、その金額を得るために何を差し出しているかという視点も合わせて考える必要があります。

平均値だけでは見えない「実質年収」という視点

年収・退職金を比較するとき、額面だけを見るのではなく「トータルリワード(総報酬)」という考え方で見ることも重要です。給与として現金で支給される金額だけでなく、残業の有無、福利厚生、そして生活コストの変化まで含めて総合的に判断するという考え方です。

① 残業代の有無
SE時代は繁忙期の残業代が年収を押し上げていた一方、学校事務は残業がほぼない前提の「素の給与」。
② 支出の変化
残業が減ると、外食費・タクシー代・ストレス発散のための出費も自然と減る。
③ 退職金の安定性
SIerは会社の業績次第で退職金制度自体が変わるリスクもあるが、私学退職金団体は業界共通制度で安定的。

筆者自身のリアルな年収推移|SE時代 → 学校事務転職後

ここからは筆者自身の実体験ベースの目安です。あくまで一個人の記録ですが、統計データと照らし合わせながら読んでいただくと、平均値とのズレも見えてくると思います。

勤続年数SE時代の年収目安学校事務転職後の年収目安
1〜3年目350〜420万円程度320〜380万円程度
5年目前後450〜550万円程度380〜450万円程度
10年目前後550〜650万円程度450〜520万円程度
💬 筆者の実体験
SE時代の年収は、繁忙期の残業代でかさ増しされていた金額という感覚が強かったです。プロジェクトが落ち着いている時期は手取りが目に見えて減り、家計の見通しを立てにくいのが正直しんどかったです。学校事務に転職してからは、額面こそ下がりましたが「毎月ほぼ同じ金額が振り込まれる」という安心感の方が大きいと感じています。

年収は下がったのに「使えるお金」はそこまで変わらなかった理由

しかし、額面の年収が下がったからといって、生活が苦しくなったわけではありません。残業がなくなったことで、外食費・タクシー代・ストレス発散のための出費・体調を崩したときの医療費といった「隠れた支出」も同時に減ったからです。つまり、額面の年収差ほど、実際に使えるお金の差は大きくなかったというのが率直な実感です。

❌ SE時代の家計
・残業代前提の年収設計
・外食・タクシー・ストレス発散費がかさむ
・繁忙期は体調を崩しやすく医療費も発生
✅ 学校事務の家計
・残業なし前提の年収設計
・生活コストそのものが下がる
・体調管理がしやすく医療費も減少傾向

給与以外の「隠れた収入」も計算に入れる|福利厚生と退職金

また、年収比較をするうえで見落とされがちなのが、給与明細に載らない福利厚生の価値です。私立学校の場合、扶養手当・住宅手当といった各種手当や、私学共済による保障、そして先述の私学退職金団体による安定した退職金は、額面の給与には表れない「隠れた収入」といえます。この点については、以下の記事で詳しくまとめています。

なぜ年収・退職金ダウンを受け入れられたのか|マインドの変化

ただし、数字の話だけでは「なぜ年収が下がる転職を選んだのか」の本質は伝わらないと思います。筆者の場合、SE時代の消耗するような働き方から抜け出したい、そして「支える仕事」として長く安定して働きたい、という価値観の変化が根底にありました。年収・退職金という指標だけで転職の是非を判断していたら、おそらく今の選択はしていなかったと思います。

年収・退職金ダウンを判断材料にするための4つのチェックポイント

  • ✅ 額面年収だけでなく、残業代を含まない「素の給与」で比較できているか
  • ✅ 福利厚生・手当まで含めた「トータルリワード」で判断できているか
  • ✅ 私学退職金団体の加入有無・自己都合退職時の減額規定を確認できているか
  • ✅ 生活コストの変化(残業がなくなることによる支出減)まで織り込めているか

一方で、これらを踏まえてもなお「もっと稼ぎたい」という気持ちが強いなら、学校事務への転職は年功序列という給与体系の性質上、ミスマッチになりやすい選択です。逆に「安定した生活基盤を築きたい」という価値観であれば、年収・退職金のダウンを補って余りある納得感が得られるはずです。

まとめ|年収と退職金は「額面」だけでなく「生涯収入」で見る

統計データで見ると、SEと学校事務の平均年収には150万円〜190万円程度の差があり、生涯収入で試算しても数千万円規模の差が生まれる可能性があります。しかし、残業の有無・支出の変化・退職金の安定性まで含めて年収退職金を比較してみると、額面ほどの生活の差は生まれていないというのが、筆者自身の実感です。学校事務への転職を検討している方は、ぜひ数字と暮らしの両面から判断材料を集めてみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました!
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